初の家庭訪問に行ってきました

「次の日曜日はうちにくるよね?美味しいもの用意して待ってるから!!!」
私が返事をする間も無く、やや強引に?話は進む。気がつけば、彼女の家に遊びに行かせてもらうことになっていた。初めてのメイドさんの家庭訪問。

ミャンマーでは、「家族」をとても大事にしていて、日本人の私にとっては少し驚いてしまうなことがたまにある。例えば会社の面接に親と一緒にやってきたり、仕事を決めるときも、親の賛同を得ることがとても大事だったり。

幸いHerBESTでは起こったことはないけれど「自分はやりたいけど・・・親がダメっていうの」と言って辞めてしまうことなんてのもあるそう。だから家庭訪問に行く、というのは嬉しい(認めてもらっているという意味で)と同時に、少し緊張する。

言うなれば彼女の実家に遊びに行く彼氏の気持ちだろうか。いやもはや、「お嬢さんを下さい・・・」という彼氏の気持ちだ。嫌われたら終わりだ。間違いない。ちなみにその「お嬢さん」は45才、子持ちである。

気がつけば当日。今日は親受けを狙ってロンジー(伝統衣装)を着ようか、何かお土産を持って行こうか、笑顔は引きつってないか、なんて考えながら、、、いつのまにか、お家。やばいお土産買いそびれた・・・

そわそわしている私をよそに、あれよあれよと家の中に通され、家族を紹介してくれるスタッフのマーケイ。「これが息子で、これも息子で、こっちは主人で、そしてこれが義理の妹の息子で、これはおばぁちゃんで、そしてそしてこれが義理の妹の旦那で、それでこちらは、隣に住んでいる人で、こちらは向かいに住んでいる人で・・・」

いやいや、もう覚えきれないくらい、出てくるのである。こうしている間にも人がどんどん増えていっているような気すらする。いや気のせいではない。増えていっている。着々と。

そして、机の上にはどんどんと手際よくお皿が並べられ、さぁご飯を食べよう、と。どうやら私たちがくることを楽しみに、朝から張り切って料理をたっぷり作ってくれていたようだ。

エンドレスにやってくる人の中で、エンドレスに出てくるご飯を食べ続ける時間がここから1時間ほど続いた。お腹は死ぬほどいっぱいになったけれど、ご飯はとっても美味しかった。何より、私たちの為に作ってくれた気持ちが嬉しくて。

エンドレスの食事がようやく終わりを迎えると、今度は奥から何かを持ってきた。あれは・・・あれはタナカである。

※解説しよう!タナカとは、ミャンマーの伝統的なお化粧のようなものでタナカと呼ばれる木を乾燥させたものを、水で溶かして顔に塗る。日焼けどめの効果もあると言われているが、定かではない。気がつけば私の周りに輪ができている。気がつけば、タナカを塗られている。

あれよあれよと、どこかの民族の帽子もかぶらされている。もう何がなんだかわからない。わからないけど、なんか楽しい。わからないけどなんかみんな笑っている。

そんなこんなで、私たちの家庭訪問は終了。ちゃっかりお昼寝までさせていただいた(笑)

普段は会社におはようってきて、そこで会うスタッフのいつもとは違うお母さんとしての一面や、温かさに触れて、なんだかとっても充実した休日でした。

あっけにとられて、肝心の「お嬢さんをください」っていうの、すっかり忘れていたけれど。

村上由里子より。